2024年7月12日
日本人の9割が持つ「痩せ菌」とは?
腸内環境を整えることが健康やダイエットに重要だというのは有名ですが、近年発見された、腸内で良い働きをする痩せ菌「ブラウティア菌」についてはご存じでしたか?世界の中でも瘦せ型の民族と言われる日本人の9割が持っている「ブラウティア菌」について、ご紹介します。
今注目のブラウティア菌とは?
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の研究チームが、日本人約9,000人の腸内細菌を調べたところ、91.6%の人がブラウティア菌を持っていることがわかりました。ブラウティア菌は、腸内細菌の中でも比較的新しく発見された菌ですが、肥満や糖尿病予防に効果があることが示唆されています。
日本人の腸内細菌叢における高い保有率
同研究センターの研究によると、日本人の約91.6%がブラウティア菌を保有しているのに対し、欧米人の保有率は約30%程度と、日本人に比べて有意に低いことが報告されています。他のアジア諸国においても、ブラウティア菌保有率は日本人に比べて低い傾向が見られます。さらに、欧米人をはじめとした様々な国・地域の人々の腸内細菌叢を解析した研究においても、ブラウティア菌の保有率が日本人に比べて低いことが確認されています。このことは、ブラウティア菌が日本人特有の腸内細菌である可能性を示唆しています。
日本人の食生活との関連性
ブラウティア菌は、海藻類やきのこ類などに多く含まれるβ-グルカンを分解して成長することが分かっています。日本人の食生活では、海藻類やきのこ類を欧米人に比べて多く摂取する傾向があります。このことから、ブラウティア菌の日本人における高い保有率は、食生活との関連性が深いと考えられています。
ブラウティア菌のすごい力
ブラウティア菌が肥満や糖尿病予防に効果があると言われているのは、以下のようなすごい力があるからです。
●短鎖脂肪酸産生:ブラウティア菌は、食物繊維を分解して短鎖脂肪酸を産生します。短鎖脂肪酸は、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。また、脂肪の燃焼を促進し、体脂肪の減少を促す効果があります。
●GLP-1分泌促進:ブラウティア菌は、血糖値を下げるホルモンであるGLP-1の分泌を促進します。GLP-1は、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げるだけでなく、食欲を抑える効果も期待できます。
●腸管バリア機能強化:ブラウティア菌は、腸管バリア機能を強化し、悪玉菌や有害物質が体内に侵入するのを防ぎます。
ブラウティア菌を増やす方法
●食物繊維を多く摂取する:海藻類、きのこ類、豆類、野菜、果物など、ブラウティア菌のエサとなる食物繊維を多く摂取しましょう。
●発酵食品を食べる:ヨーグルト、納豆、キムチ、漬物など、善玉菌を増やす効果のある発酵食品を食べましょう。
●適度な運動をする:運動は腸内環境を整える効果があります。ウォーキング、ジョギング、ヨガなど、自分に合った運動を取り入れましょう。
●十分な睡眠をとる:睡眠不足は腸内環境を悪化させる原因となります。毎日6~8時間程度の睡眠を心がけましょう。
●ストレスを溜めない:ストレスは腸内環境を悪化させる原因となります。ストレス解消法を見つけて、リラックスできる時間を増やしましょう。
アロエベラでブラウティア菌をさらにパワーアップ!
アロエベラに含まれる、ヒトの体に有用な成分は、ブラウティア菌を元気にさせることができます。たとえば、アロエベラに含まれるアロエベラチンという成分は、ブラウティア菌のエサとなるオリゴ糖を増加させます。また、アロエベラに含まれる食物繊維もブラウティア菌のエサとなります。
まとめ
ブラウティア菌は、現代人が抱える問題のひとつである、肥満や糖尿病予防に効果が期待できる「痩せ菌」です。ブラウティア菌を増やすために、アロエベラを活用し、食物繊維を多く摂取し、発酵食品を食べ、適度な運動をすることをおすすめします。腸内環境を整えて、健康的な体を目指しましょう!
※この情報はあくまでも参考情報であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
参考資料
“Prevalence and abundance of Blautia wexellae in the gut microbiota of Japanese individuals.” npj Gastroenterology and Hepatology 4, 1 (2023): 1-10