2024年3月6日
アロエベラが糖尿病の予防・改善に貢献する?

アロエベラは、古くから伝統医学で利用されてきた歴史を持つ多肉植物です。近年、その健康効果に関する科学的な研究が進み、抗炎症作用や抗酸化作用、そして血糖値を調節する可能性について注目が集まっています。
糖尿病の予防・改善におけるアロエベラの効果については、現在も研究が続けられている段階であり、結論は出ていません。しかし、いくつかの研究で有望な可能性が示唆されています。
その一つが、森永乳業株式会社によるアロエベラに関する基礎研究です。同社はアロエベラの葉肉に含まれる「アロエステロール®」という成分に着目し、糖尿病モデルマウスを用いた実験で、血糖値の上昇を抑え、インスリンの働きを改善する効果を確認しています。こうした基礎研究は、ヒトでの効果を検証していく上で重要な知見となります。
また、海外の臨床試験では、アロエベラが糖尿病患者の血糖値や脂質代謝に与える影響が報告されています。例えば、イランの研究者らが行った信頼性の高い臨床試験(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験)では、2型糖尿病患者にアロエベラゲルを摂取してもらったところ、偽薬(プラセボ)を摂取したグループと比較して、空腹時血糖値とHbA1c(過去1~2ヶ月の血糖平均値を示す指標)が有意に低下しました。さらに、LDL(悪玉)コレステロール値の低下も認められています。
これらの研究はアロエベラの可能性を示すものですが、その利用にあたっては注意が必要です。特に持病のある方や薬を服用中の方は、必ず事前にかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。アロエベラが健康に貢献する可能性について、今後のさらなる研究の進展を期待したいですね。