2024年6月7日
アロエベラの驚くべき可能性～フリーラジカルとの果てしなき戦い②～
細胞にダメージを与え、老化や病気の原因となる「フリーラジカル」。私たちとフリーラジカルの戦いは生きている限り続きます。その戦い方とは？そして、アロエベラはどのように貢献できるのでしょうか。
フリーラジカルはどのように発生するの？
「怒りやすい人ほどサビやすい？～フリーラジカルとの果てしなき戦い①～」でお伝えしたように、フリーラジカルが体内で増えすぎると、細胞が老化してしまったり、病気になりやすくなったりしてしまい、がんや糖尿病、心血管疾患、神経変性疾患にも影響を与えることがわかっています。では、フリーラジカルはどのように発生するのでしょうか。
フリーラジカルは通常、ヒトが呼吸をする際にミトコンドリアが酸素を利用するという、自然な代謝過程でも生成されています。このような正常な代謝過程で生成されるフリーラジカルは、抗酸化酵素（例えばスーパーオキシドディスムターゼやカタラーゼ）がこれを中和することでバランスが保たれています。それとは別に、フリーラジカルは外部要因によっても増加します。
●紫外線：日光に含まれる紫外線は、皮膚細胞内でフリーラジカルを生成します。紫外線が皮膚に当たると、エネルギーが細胞に吸収され、活性酸素が生成されます。これがDNAやコラーゲン、エラスチンにダメージを与え、皮膚の老化や皮膚がんのリスクを高めます。
●大気汚染：車の排気ガスや工業排水に含まれる有害物質（例えば二酸化窒素や微小粒子状物質）は、体内でフリーラジカルを生み出します。
●タバコの煙：タバコの煙に含まれる化学物質が直接フリーラジカルを生成し、肺や血管にダメージを与えます。
●食事や飲酒：高脂肪や高糖質の食事は、消化過程でフリーラジカルの生成を促進します。特に加工食品や揚げ物などは、酸化脂質が含まれているため、これが体内で分解される際にフリーラジカルが生成されます。また、過剰なアルコール摂取も肝臓での代謝過程でフリーラジカルを生成します。
●ストレス：慢性的なストレス下では、ストレスホルモンが分泌されることで体内の炎症反応が亢進し、フリーラジカルの生成が増加します。
●運動不足：運動不足は、代謝率の低下を引き起こし、細胞の抗酸化能力を低下させることがあります。
フリーラジカルと戦うカギは「抗酸化物質」
フリーラジカルによるダメージを防ぐには、フリーラジカルの働きを中和し、そのダメージを防ぐために機能する「抗酸化物質」がカギとなります。抗酸化物質はフリーラジカルに対して電子を提供し、安定化させることでフリーラジカルの活性を抑えます。つまり、フリーラジカルが他の分子から電子を奪うのを防ぐというわけです。また、フリーラジカルは他の分子から電子を奪うことで新たなフリーラジカルを生成し、連鎖反応を引き起こしますが、抗酸化物質はこの連鎖反応を遮断することで、広範囲な細胞損傷を防ぎます。さらに、抗酸化物質の中には、すでにダメージを受けた細胞やDNAの修復をサポートするものもあります。例えば、ビタミンCはDNA修復酵素の機能を助けることが知られています。このように、抗酸化物質は多角的な方法でフリーラジカルと戦い、体の健康を維持する重要な役割を担っています。
抗酸化物質を豊富に含むのは
●ビタミンC：水溶性のビタミンCは、強力な抗酸化作用を持ち、細胞膜やDNAを保護します。また、コラーゲンの生成を促進し、美肌効果も期待できます。
●ビタミンE：脂溶性のビタミンEは、細胞膜を保護し、DNA損傷を防ぐ効果があります。また、血液サラサラ効果や抗炎症作用もあります。
●カロテノイド：β-カロテン、リコピン、ルテインなどがあり、強い抗酸化作用を持ちます。活性酸素による細胞のダメージを防ぎ、老化や癌などの疾患の予防に効果が期待できます。
●ポリフェノール：カテキン、アントシアニン、フラボノイドなど様々な種類があり、それぞれ異なる抗酸化作用を持ちます。ポリフェノールは、抗菌、抗ウイルス作用、抗炎症作用なども持ち、様々な健康効果が期待できます。
アロエベラが抗酸化に貢献する可能性
アロエベラは、ヒトに有用な成分が多く含まれていることから、フリーラジカルとの戦いにおいて貢献することができます。アロエベラにはビタミンC、ビタミンE、ベータカロテン、アロエシン、サリチル酸など、豊富な抗酸化物質が含まれており、これがフリーラジカルの中和に役立ちます。また、アロエベラは炎症を抑える効果があることが知られています。これは、アロエベラに含まれる抗酸化物質が、炎症を引き起こすフリーラジカルの働きを抑えるためと考えられます。さらに、創傷治癒作用や美肌効果などがあることも、アロエベラに含まれる抗酸化物質が関係していると考えられます。アロエベラには、さまざまな面から健康に寄与できる驚くべき可能性があり、抗酸化についても大きく貢献している植物だと言えるでしょう。
フリーラジカルとの戦いは終わりのないものですが、抗酸化物質の摂取と健康的な生活習慣の維持によって、私たちはその影響を最小限に抑えることができます。日常生活にこれらのポイントを取り入れることで、健やかな生活を目指しましょう。
