2024年5月27日
バリア機能の高い皮膚形成にアロエベラを
近年の研究結果から、アロエベラが肌のバリア機能を高める作用を持つことがわかりました。健康と美容に及ぼすアロエベラの幅広いポテンシャルに、期待が高まります。
外界の刺激から身を守り、体内環境を維持する「バリア機能」
皮膚の最も重要な役割の一つは「バリア機能」です。バリア機能は、熱や光などの外部刺激や異物、病原菌から体を守り、水分の蒸発を防ぐ役割を担っています。特に表皮の外側に位置する角質層がこのバリア機能の大部分を支えています。
バリア機能を低下させるドライスキン
乾燥などによって角質層の水分が減少すると、皮膚がざらつき、ドライスキンの状態になります。ドライスキンは、外部刺激に対して敏感になり、かゆみを引き起こす原因となります。かゆみを感じると掻いてしまい、炎症が悪化して悪循環に。さらに、皮膚を傷つけることでバリア機能が低下すると、異物や病原菌が侵入しやすくなり、湿疹や慢性的な皮膚疾患を引き起こす可能性もあります。年齢とともにバリア機能は低下するため、日々のスキンケアでバリア機能を維持することが大切です。
アロエベラはバリア機能の高い皮膚形成を助ける
「アロエベラ液汁は皮膚を強くする」、「アロエベラがターンオーバー促進に役立つ」の記事で述べたように、アロエベラの研究で、アロエベラがターンオーバー促進や細胞接着因子の増加など、個々の細胞レベルでの効果が明らかになっていました。
それに加え、新たな研究によって、アロエベラが皮膚構造そのものの形成に影響を与えることが判明しました。アロエベラを含む培地でヒト表皮細胞を培養した実験で、バリア機能に重要な顆粒層が厚く充実した多層構造が形成されていることが確認されたのです(※1)。これは、アロエベラが細胞同士の結合を促進し、より強固で整った皮膚構造を形成する作用を持っていることを示唆しています。
まとめ
これらの研究結果により、アロエベラは乾燥肌、敏感肌、ニキビ肌など、さまざまな肌トラブルの予防に大いに役立つことがわかります。スキンケアにアロエベラはとても適した植物だと言えるでしょう。
(※1)
森山麻里子、他 「アロエベラ液汁による皮膚浸透促進効果」
2017年 日本薬学会 第137年会(仙台)発表