2024年11月6日
寒い季節にアロエベラがおすすめな理由は① ~保湿効果、コラーゲン生成促進、抗炎症作用~
日ごとに寒さが増すこの季節に気になるのは、肌の乾燥。外気温が低下し湿度も減少するため、肌の水分が蒸発しやすくなり、バリア機能も低下します。その結果、肌がかさつき、ひび割れやかゆみを引き起こします。そんな寒い季節におすすめしたいのが、アロエベラ。古くから美容や医療に用いられてきたアロエベラの有用性について、研究データを基にご紹介します。
アロエベラの保湿効果
アロエベラの有名な特長のひとつは、「優れた保湿力」。アロエベラに含まれるムコ多糖体は高い保水性を持っており、肌の表面に薄い膜を形成し、水分の蒸発を防ぐことで肌を乾燥から守ります。ある研究によると、アロエベラジェルを含む手袋を使用した場合、職業性の乾燥肌の改善が見られました。肌が健康的になり、小じわを目立たなくさせ、さらに紅斑も軽減されたと報告されています。
Evaluation of aloe vera gel gloves in the treatment of dry skin associated with occupational exposure / Dennis P West 1, Ya Fen Zhu / PMID: 12548256, DOI: 10.1067/mic.2003.12
コラーゲン生成の促進
乾燥肌対策には、表面的な保湿だけでなく、肌の内側からのケアも重要です。アロエベラには、コラーゲン生成を促進する効果があることが分かっています。Chithra R Sajithlal GB、Chandrakasan Gらの研究では、アロエベラに含まれるグルコマンナン(マンノースを豊富に含む多糖類)とジベレリン(成長ホルモン)という成分が、線維芽細胞の成長因子受容体と相互作用することで、線維芽細胞を活性化し増殖させました。アロエベラを経口摂取するとコラーゲンの合成が大幅に増加するという結果が得られました。コラーゲンは肌の弾力性を保つ重要な成分であり、その増加は乾燥による肌のハリの低下を防ぐ効果があります。
Influence of Aloe vera on collagen characteristics in healing dermal wounds in rats / P Chithra 1, G B Sajithlal, G Chandrakasan / PMID: 9562243, DOI: 10.1023/a:1006813510959
抗炎症作用
乾燥肌は炎症を起こしやすく、かゆみや赤みを伴うことがあります。アロエベラには強力な抗炎症作用があり、これらの症状を緩和する効果が期待できます。アロエベラに含まれる成分は、シクロオキシゲナーゼと呼ばれる炎症を引き起こす過程を阻害します。それは、「アラキドン酸」という脂肪酸から「プロスタグランジンE2」という炎症を促進する物質を生成するという過程です。アロエベラはこの過程を抑えることで、プロスタグランジンE2の生成を減少させ、結果として炎症を和らげるというわけです。近年の研究で、アロエベラジェルから「C-グルコシルクロモン」という成分が見つかりました。この成分も炎症を抑える働きがあることがわかっています。アロエベラは肌の炎症反応を抑制し、乾燥による不快感を軽減することができると言えます。
Antiinflammatory C-glucosyl chromone from Aloe barbadensis / J A Hutter 1, M Salman, W B Stavinoha, N Satsangi, R F Williams, R T Streeper, S T Weintraub / PMID: 8778246, DOI: 10.1021/np9601519
注意: 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。肌トラブルでお悩みの方は、必ず皮膚科医にご相談ください。