2025年12月15日
蜂蜜＋アロエペーストの腸機能・腸内細菌・短鎖脂肪酸改善効果
和訳：「ロペラミド誘発便秘モデルで示された蜂蜜＋アロエペーストの腸機能・腸内細菌・短鎖脂肪酸改善効果」(要約)
研究の概要
この研究は、「蜂蜜＋アロエペースト」が、ロペラミド誘発便秘マウスモデルにおいて、腸機能と腸内環境をどのように改善するかを検証したものである。対象は、蜂蜜単独、アロエベラ単独、両者を組み合わせた蜂蜜＋アロエペーストであり、排便状態、胃腸の運動性、腸粘膜バリア、腸内細菌叢、短鎖脂肪酸産生の変化が比較された。
蜂蜜＋アロエベラの「便秘改善」効果
結果として、アロエベラ単独でも便秘改善効果は確認されたが、蜂蜜＋アロエペーストはそれ以上の改善効果を示した。具体的には、便の個数・含水量の増加、排便回数の増加、腸管通過時間の短縮が認められ、いわゆる「出やすさ」と「便のやわらかさ」が両方とも改善していた。
胃腸運動と粘膜バリアへの作用
蜂蜜＋アロエペーストは、単独素材よりも強く胃腸の運動を促進し、消化管の内容物の移動をスムーズにする効果を示した。さらに、腸粘膜のタイトジャンクション関連タンパク質の発現増加など、バリア機能を強化する変化が見られ、腸の「守る力」を高めることが示唆された。
腸内細菌叢と短鎖脂肪酸（SCFA）の変化
蜂蜜＋アロエペーストは、腸内細菌叢の構成を便秘モデル特有のディスバイオシスから健康な状態に近づけた。特に、酪酸産生菌など有益な細菌群が増加し、それに伴い酢酸・プロピオン酸・酪酸といった短鎖脂肪酸の産生量が増加し、腸内の代謝環境が整うことが確認された。
シナジーの理由：発酵されやすい糖質の組み合わせ
著者らは、蜂蜜のオリゴ糖など発酵されやすい糖質と、アロエベラ由来のアセマンナンやフルクタンなどの多糖類が、腸内細菌にとって多様な「エサ」となり、単独素材よりも大きなプレバイオティクス効果を生み出すと考察している。これにより、腸内細菌叢の有益な変化と短鎖脂肪酸の増加が同時に起こり、便秘改善と腸粘膜保護が相乗的に進む構図が描かれている。
嗜好性（おいしさ）の利点
アロエベラは独特の苦み・渋みがあり、そのままでは摂取しづらい場合があるが、蜂蜜と組み合わせることでペーストとしての嗜好性が大きく向上する点も指摘されている。研究では機能性だけでなく、この「飲みやすさ・食べやすさ」も、実際の食品として応用するうえでの重要な利点として位置づけている。
