2024年9月13日
アロエベラとその主要な有効成分の薬理学的特性③:「抗炎症作用」
和訳:「アロエベラとその主要な有効成分の薬理学的特性の最新情報」
(概要については、「アロエベラとその主要な有効成分の薬理学的特性①」を参照してください)
抗炎症作用
●アロエベラの抗炎症活性に関する最近の研究の多くは、LPS(リポ多糖)で刺激した実験用マウスのマクロファージRAW264.7細胞や、単離された成分がどのように生体内で働くかに焦点を当てている。アロインの潜在的な抗炎症効果は、サイトカイン(炎症性物質)、ROS(活性酸素)産生、およびJAK1-STAT1/3シグナル伝達経路を阻害する能力に関連していることが示唆されている。さらに、アロエエモジン硫酸塩/グルクロン酸抱合体(0.5 μM)、レイン硫酸塩/グルクロン酸抱合体(1.0 μM)、アロエエモジン(0.1 μM)、およびレイン(0.3 μM)という成分およびそれらの代謝物は、炎症性サイトカインと一酸化窒素の産生を抑制し、iNOS(炎症に関わる酵素)の発現や、MAPKのリン酸化(細胞内のシグナル伝達)を阻害することが示されている。
(これらの研究は、アロエベラに含まれるいくつかの成分が、様々な炎症性疾患に対して有効である可能性があることを示唆している)
●一方、別の研究において、Thunyakitpisalらは、アセマンナンがヒトの歯肉線維芽細胞でIL-6とIL-8という炎症性サイトカインの発現を増加させ、さらにNF-κBと呼ばれる転写因子のDNA結合を促進することを明らかにした。この作用は、細胞表面にあるToll様受容体を介したシグナル伝達経路によって引き起こされることが示された。一方、IL-1β(炎症性サイトカイン)の高レベルが歯周病と関連していることから、Naらは別の成分であるアロインの抗炎症効果を調べた。彼らは健康なボランティアから採取した唾液でヒト口腔KB上皮細胞を刺激し、アロインの効果を観察した。その結果、IL-1βを多く含む唾液サンプルが、KB細胞におけるIL-8産生を促進することが分かった。さらに重要なことに、アロインで細胞を前処理すると、p38MAPKおよびERKと呼ばれる細胞内シグナル伝達経路の活性化が抑制され、それによってIL-8の産生が減少することが示された。
(これらの研究は、アロエベラ由来の異なる成分が炎症反応に対して複雑な影響を及ぼし、免疫調整効果を持つ可能性を示唆している)
●単離された化合物の研究に加えて、AhluwaliaらはAVH200®という標準化されたアロエベラ抽出物の効果を調べた。この抽出物にはアロインとアセマンナンが含まれており、彼らは18歳から60歳の健康な人から採取した血液中のT細胞を使って実験を行った。その結果、AVH200®がCD3(+) T細胞上のCD25とCD3という分子の発現を減少させることが分かった。また、AVH200®は濃度に応じてT細胞の増殖を抑え、IL-2、IFN-γ、IL-17Aというサイトカインの産生を減少させることも明らかになった。さらに、アロエベラの抗炎症効果については、アセトアミノフェンによって肝臓に炎症を引き起こしたマウスモデルでも調査が行われた。この研究では、アロエベラ(150 mg/kg)が肝臓内のMDA、IL-12、IL-18のレベルとALTを減少させ、同時にGSHの含有量を増加させることが示された。
(これらの結果は、アロエベラが抗炎症および免疫調節に有用である可能性があることを示唆している)