アロエベラコンテンツ

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2025年8月12日

治療薬としてのアロエベラ多糖類:生物医学的応用における有用性と副作用②:「抗炎症作用」

和訳:「アロエベラとその主要な有効成分の薬理学的特性の最新情報」

(概要については、「治療薬としてのアロエベラ多糖類:生物医学的応用における有用性と副作用①:「免疫調節作用」を参照してください)

アロエベラ多糖類の抗炎症作用

アロエベラ多糖類の抗炎症作用は、主に体内の主要な炎症経路を阻害することによって発揮される。アセマンナンや他の多糖類は、炎症性遺伝子の発現を調節する転写因子NF-κB(核内因子カッパB)の活性化を抑える。NF-κBが抑制されると、アロエベラ多糖類は、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)やリポキシゲナーゼ(LOX)といった酵素の産生を減少させる。これらの酵素は、プロスタグランジンやロイコトリエンなど、炎症を促進する物質(炎症メディエーター)を作り出す役割を担っている。この抗炎症作用は、特に創傷治癒で役立つ。なぜなら、炎症が長引きすぎると傷の回復が遅れるためである。

さらに、アロエベラ多糖類は、炎症を促進するサイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)の発現を抑制する一方で、逆に炎症を抑えるサイトカイン(IL-10)の発現を促進する。この二重の作用によって、関節炎、皮膚炎、炎症性腸疾患(IBD)といった症状の炎症を和らげる効果が期待される。

また、これらの多糖類は、炎症が起きている組織へ好中球や単球といった免疫細胞が集まるのを防ぎ、それによって組織の損傷を減らし、炎症が収まるのを助ける。

「治療薬としてのアロエベラ多糖類:生物医学的応用における有用性と副作用③」につづく

Aloe Vera Polysaccharides as Therapeutic Agents: Benefits Versus Side Effects in Biomedical Applications / by Consuela Elena Matei, Anita Ioana Visan and Rodica Cristescu / National Institute for Laser, Plasma and Radiation Physics, Ilfov, Romania / MDPI, Polysaccharides 2025, 6(2), 36; https://doi.org/10.3390/polysaccharides6020036, Published: 4 May 2025

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